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feather と過ごした9年間

お知らせ

こんにちは。合同会社コベリンの代表の亀山です。

2023年1月13日、有料版の feather for Twitter は Twitter の方針の変更により BAN され、使うことができなくなりました。2014年1月15日のリリースから9周年を迎える2日前でした。今日は、すこし思い出話をしたいと思います。

10年前の2013年、僕は大学を卒業し、インターンシップでお世話になっていた企業でフリーランスとしてプログラミングをしていました。高専の同級生で共にプログラミングコンテストに出場した仲間である山口、柾本たちと、毎週のように秋葉原に集ってはいろいろな話をしていました。僕たちは普通の企業でバリバリと働くという形があまりフィットしていなかったという共通点がありました。それからなかば自然と、自分たちの会社を作ろうという流れとなりました。このときはまだ、何をやるかはハッキリとは決まっていなかったように思います。

行政書士でもあったバイト先のカフェのオーナーに書類をお願いし、役所に開業届けを提出しました。会社運営のことや事業の内容はフワフワしていましたが、この仲間とやっていこうとコベリンはスタートしました。

柾本は Twitter クライアント TweetDuet の開発者であり、このアプリの UI や哲学を引き継ぎながら、新しい事業として feather for Twitter の開発が始まりました。

この当時、Twitter クライアントの開発はモバイルエンジニア達のブームでした。企業や大学生の個人開発者など様々な人達がアプリを開発し、それぞれが独自の機能や世界観を追求していました。

そんな盛り上がりの中、リリースに向けて大変な開発を続けました。当時コベリンにはオフィスも無く、ルームシェアしていた家のリビングに集まって一つの長机に並んでプログラムを打ち込んでいました。僕の貧乏ゆすりが横に伝わって画面をグラグラさせていたのを覚えています。

僕はプログラミングだけでなく、アイコンや UI のデザインも担当していました。feather のアイコンは途方も無い時間をかけて微調整を繰り返し、自分ならではの工夫を込めたデザインです。時々 feather のアイコンを元にしたものを見かけますが、僕がディスプレイと永遠ににらめっこして生み出した曲線が残っているのを見ると、怒りよりも模倣されるような良いものができたという誇らしい気持ちがわきます。

リリース前にはまともな収入も無く厳しい生活でした。インターンに行っていた企業から会社として仕事をいただいて、法人としての作法も分からないままギリギリの生活を送っていました。

それから数ヶ月して、feather は機能が少ないながらも、iOS7のフラットデザインを取り入れたシンプルで使いやすいアプリとしてリリースされました。

そして、僕たちの予想を超える勢いでアプリはダウンロードされました。AppStore のソーシャル・ネットワーキングランキングで1位になり、たくさんのユーザーから意見がどんどん届き、作りたい機能が山のように積み上がっていきました。とにかく僕たちはそうした山積みのタスクを切り分け、アップデートを行いました。こうして、feather はユーザーの声に応えながら、ちゃんとした Twitter クライアントとしての形になっていきました。

印象に残っているアップデートは、ツイートをリアルタイムに表示する UserStream の対応です。feather を常に立ち上げ、Twitter を通してインターネットの世界に常時接続することができました。自分たちにとっても、たくさんのユーザーにとっても、feather は生活の一部となっていきました。

feather の成長とともに、コベリンも徐々に会社としての形をなしていきました。2016年には今も入居している池袋オフィスに移転し、東京を拠点とする企業とのお仕事も増え、働き方の整備も進んで会社の体制が整っていきました。

それから feather にはもうひとつのサイドストーリーがあります。2015年、Android エンジニアの numa08 が入社し、Android 版 feather の開発がスタートしたのです。初めてクラウドファンディングにも挑戦しました。セリフを作り、宣伝用の動画を撮ったのを覚えています。iOS 版と同じく、最初は最低限の機能でリリースし、それからどんどんアップデートしていこうと考えていました。しかしリリースまではこぎつけたものの、クラウドファンディングはうまく行かず、売上のため必要な他の案件にも開発作業をとられ、思っていたようにアップデートができませんでした。そして2017年11月8日、Android 版 feather の販売を停止しました。

2017年には AppStore のランキング画面がタブから廃止されるなどの変更があり、売上は安定しつつも徐々に落ち込んでいきました。有料版ユーザーの方々は毎日 feather を起動してたくさん使ってくれていましたが、買い切りのため売上には貢献していなかったので、新規ユーザーがアプリを見つけるランキングのような導線が非常に重要でした。そこで無料版 feather をリリースし、アプリに課金しない方たちも使っていただけるようにしました。しかし2018年には UserStream の API が廃止されたり、API の制限も厳しくなり様々な対応を余儀なくされました。2019年には API のアカウント数の制限に到達するなど、feather の開発に将来性が見えづらくなり、なかなか全力を投じるのが難しくなりました。一方でありがたいことに仕事の引き合いは増え、会社を少しづつ成長させることができました。

そんな中、2020年にはコロナ禍が始まり、僕たちも即座にフルリモートに切り替えることとなりました。以前よりコベリンではリモートワークを推進していたので、日々の業務にはほとんど影響がありませんでした。9年前から、同じ部屋にいてもチャットで話していたので慣れていたのです。しかし、池袋の種類豊富なお昼ごはんが食べられなくなるのは寂しいものでした。

2021年にはサポータープランを追加し、非常に多くの方々からご支援を受けることができました。単なる道具であるアプリが親しまれ、グッズを購入してくれるまでになったことが非常に嬉しかったです。また、Twitter API の制限と利用規約が大きく緩和され、今後さらに feather ワールドを広げていけそうという希望が出てきました。iPad 対応をしたり、API v2 対応の準備など今後の新機能追加に向けて開発が徐々に盛り上がっていました。

これが今までの feather の思い出です。

そして2023年1月13日、突然有料版 feather は使えなくなりました。どうやら feather だけではなく多くのサードパーティクライアントが同じだということがわかりました。数日経って、どうやら意図的にサードパーティクライアントの API アクセスを禁止しているようだということが分かりました。

今になってもメール等の連絡はありません。これまでも様々な API の仕様変更や制限はありましたが、いずれも事前にアナウンスがあり、ユーザーに告知したり今後について話し合う時間がありました。Twitter も一企業であり、API や規約を都合に合わせて自由に変更することに異論はありません。それでも、予測不可能な対応を迫られることは負担が大きく、今後も続けていきたいと思えるものではありません。そして何より、9年ものあいだ苦楽をともにした feather というプロダクトが突然終わることが、ただただ寂しい出来事でした。

一旦 Twitter クライアントとしての feather は終了となります。無料版 feather も使えるうちは提供できればと思いますが、サポートやアップデートは停止させていただきます。

Twitter API 有料化などの話題も出ていますが、今後については不透明です。状況が変わり次第その都度検討していこうと思います。

たくさんの人々に愛されるプロダクトを作ることができたことを誇りに思います。
9年間もの長いあいだ、ご愛顧いただき誠にありがとうございました。

コベリンのチームはまだまだ仕事を続けています。feather の精神や世界観は僕たちとユーザーの中に保たれています。

今後も、皆様に役立つプロダクトを作っていきます。
よろしくお願い致します。